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部下を動かす教え方

いつも仕事に追われている上司のための 部下を動かす教え方いつも仕事に追われている上司のための 部下を動かす教え方
松尾 昭仁

日本実業出版社 2008-06-26


松尾昭仁さんの「いつも仕事に追われている上司のための部下を動かす教え方」です。
松尾さんは、ネクストサービス株式会社の代表取締役CEOで、本書以外の著作もあり、セミナー講師となるためのセミナーなども開催されています。

本書では、部下を育てる上司の立場にある人を主な対象として書かれていますが、プロの講師の方にも通じる内容となっています。
時間がなくて部下を教えるのが面倒くさいと思っている人や、自分でやってしまった方が早いと言って部下を教育していない人は、本書を一読されると良いでしょう。
すぐに使える実践的なノウハウや、部下のタイプ別対処法などが書かれています。

本書に限ったことではないですが、部下を教育することは、上司の重要な役目です。
部下が仕事ができるようになることによって、上司である人は、本来やるべきさらに上の仕事に集中することができます。本書に書いてあることを実行し、仕事を任せられる部下を育てていってください。


■読みメモ

教えることは、「知識の棚卸作業」。教えることで初心に立ち返る。人に教えることで一番学べるのは自分自身。

「仕事のDNA」を受け継いだ人材はたとえ職場が変わっても、横の連携がとれるビジネスパートナーとなりえる。

一度に教えるポイントは多くても3つまで。
細分化し、ポイントを絞り込んで教えることで、基本がしっかり身につき、その後応用が利きやすくなる。

大事なポイントを何度も繰り返し説明する。
「しつこい」と思われ、かえって集中力が下がる危険があるので、同じ内容・ポイントを話しながらも、その表現をときには変える工夫も必要。

大事なポイントを教えるときは、あえてその前に「間」を取る。積極的に「間」の力を利用する。

相手のレベルを見極めるためには、次の2つの方法が有効。
・教える内容についての作業をやらせてみる
・教える内容についての知識を聞いてみる

注意したいのは、教わる側が、自分の知っていないことをあたかも知っているかのように言う場合があること。相手の説明があやふやだと感じたときは、遠慮なく突っ込み、本当のレベルを確かめる。
それをせずに、相手のレベル以上のことを教えても、後日教え直す必要が生じる。

教える側も「わからないことはわからない」と認めて、決して知ったかぶりをしない。
もしも間違いを教えてしまい、後日それを指摘された場合は、(確認後)速やかに誤りを認めなくてはいけない。

学習中のリアクションだけでは、相手の理解度を測ることはできない。
学ぶということは「何がわかり、何がわからないのか」確認する行為。自分の理解度を把握し、場合によっては質問するためにも、「自分がわからなかったこと」を記録する大切さを教える。

教える最中や教え終わったあと、「質問がない」場合は要注意。
質問がない状態は、むしろ「よくわからなかったから質問すらできない」という可能性もありえる。
「質問するにはそれなりに勇気がいる」ということを理解しておく。

過度のフォローは慎む。
教育期間のうちは一連の仕事を一通り黙って見ていることも、教える側の役目。毎回少しずつハードルの高い仕事を用意して一人でやらせてみる。

評価はまず「よかったこと」を話し、そのあとに「悪かったこと」を指摘する。どんなささいな部分でもいいのでほめ、相手が聞く耳を持ったことを確認してから、大切な注意点を説明する。
「よかったこと」を1つ伝えたら、「悪かったこと」は多くても3つまでしか伝えない。

あることを教わるメリットや必要性、さらには教わらないデメリットなどを、丁寧に伝える。この場合のメリットとデメリットはあくまで「教わる側」のもの。
教える側としては「教わらなくてもいいが、損をするのはあなた自身です」という少し引いたスタンスを保つ。

成功体験を積ませる。小さな成功体験を、部下に棚卸させる。
「できる」理由を順序立てて説明することで、実現が可能だということを伝える。

いつも評価されている人は、「すごいけど、あの人は特別だから」などと周囲から距離を置かれ、意外にほめられ慣れていないケースもある。

こちらの話を気分よく聞いてもらうためにも、教えるときには、あえて相手にしゃべらせる時間を作る。ここで聞くべきは、教わる内容に関する、相手の予備知識や経験がいい。

教える側が緊張する最大の要因は準備不足からくる。

プロには、上手に教える力以外に、相手を楽しませる力も求められる。教わる相手にワクワク感を与えるのもプロ講師の役目。教える人間が笑顔で話し始める。
「学びというサービスの提供者」という心構えで臨む。

伝わる話し方 3つのポイント。
・話すスピード(早過ぎても、遅すぎてもダメ)
・語尾(意図が伝わるよう、ハッキリと)
・声の大きさ(ときにはあえて小さくし、聞き耳を立てさせる)

むやみやたらに板書しない。
あまり多くの情報を板書すると、教わる側は何が大事なポイントなのか、わからなくなってしまう。本当に大事なポイントのみ、口頭で説明した上で板書する。
板書する内容は徹底して絞り込む。

インパクトが強いからこそ、図をあまり多用しては逆効果。

教わる側のコンディションや集中力までは、教える側は完全に支配できない。
一度に多くの人数に教える場合、ときには少数を切り捨てる勇気も必要。

終了時に「グループ・ディスカッション」を行い、自らに勉強に参加したという意識を芽生えさせる。

ブログやメルマガ、SNSを活用し、普段から習慣にしている行動の中に「復習」を組み込む。復習を「仕組み化」する。

定刻に終わるように設定できないのは、教える側の時間の読みが甘い。
室温が高いと眠くなり集中力が切れやすくなるので、少し涼しいくらいの温度がちょうどいい。


■こんな人におすすめ

部下、後輩の育成をしている人

部下に任せず自分で何でもやってしまう人

採用や研修の担当者

セミナー講師

塾の先生、家庭教師
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3分間コーチ

ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術 3分間コーチひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術 3分間コーチ
伊藤 守

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2008-03-13


伊藤守さんの「ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術 3分間コーチ(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」です。
伊藤さんは、はじめてアメリカからコーチングを日本に紹介し(本書内に記述あり)、株式会社コーチ・トゥエンティワン株式会社コーチ・エィの代表取締役会長であり、本書の出版社でもある株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンの代表取締役会長でもあります。
「もしもウサギにコーチがいたら」「コーチング・マネジメント」「小さなチームは組織を変える」「会話から始めるコーチング」など、他のコーチング関連本も多数執筆されています。

「部下について考える時間」、「部下と的を絞った短い会話をするための時間」、この2つ時間をとることが3分間コーチの要点であり、そのための時間は、1日3分、それがダメなら1分でも良いと説いています。
とにかく部下と関わる時間を作り、部下と会話をする時間を持つこと、このことを心がけることが大切なようです。


■読みメモ

気づいたらその場で躊躇せずに声をかける。毎日部下と会話する。一回の面談よりも、ふだんのコミュニケーションが大切。

<三分間コーチ>の特徴は、会話そのものというより、三分間の会話と次の三分間の会話の<間>にある。
会話というのは、その場で相手に影響を与えるだけではない。実際に人の行動に影響を与えるのは、会話のあとに個々の内側で続く<セルフトーク>。それが、人の考えや行動に影響を与える。

ほんとうの会話とは、創造以外の何ものでもない。

コーチングでは、基本的に「アドバイス」はしない、問題解決もしない、ただ、問題とのつき合い方をコーチする。

大切なことは、何を話すかよりも、どんな場面で話すか。

事が起こってからコーチするのではなく、事が起こる前に、予測し、それをコーチする。

外側からの変化とは、不測のトラブル、転勤、昇進または降格、部下の士気が著しく落ちるなど、外からなんらかの対応を迫られる、つまり、<要望>されることによって生じる。
自分から起こす変化というのは、逆に自分のほうから相手に何らかの<要望>をすることから生じる。
コミュニケーションとは基本的に、相手に<要望>すること。

優れた上司は、その人が来る前から、その人の「居場所」をつくっている。
自分のことについて知っている、理解してくれている人がいることで、そこに自分の<居場所>を持つことができる。
<居場所>のあることが行動の起因になる。

つねに、現状を客観的に把握するためのフィードバックが必要。フィードバックはだれでもほしい。

「何かあったら声をかけてくれ」とか「いつでも相談してくれ」というのは、親切そうに聞こえるが、あまりにも漠然としていて、部下は声をかける機会を見つけられない。
できるだけ具体的に、どんなときに声をかけたらいいのかを、あらかじめて伝えておく。

気のきいたことをいう必要はない。三分間の会話の終わりは、「続きはまた明日」「今日は話せてよかった」で十分。

部下が質問できるようにするのが上司の仕事。上司が質問の仕方のモデルになる。

正しい答えを要求し続けると、創造性はどんどん萎縮してしまう。
こちらが思ったような答えを要求したり、せかしたりすると、相手は黙ってしまう。または、こちらの思うような答えをしてくる。それでは役に立たない。

挨拶に返事がなくてもいい。むしろ、返事がなくて不安になるのは上司のほうで、その不安を解消するために部下を叱ってしまう。それでは、何のためのコミュニケーションかわからなくなってしまう。
返事はなくてもとにかく声をかける。少しずつ彼らについて知り、少しずつ話をする。

コーチングのイメージは、会話する二人が向き合ってしまうのではなく、一枚のカンバスに向かって、二人で座る。そして、部下が描く絵を見ながら、会話する。

コミュニケーションが活性化するには、<問いの共有>が必要。

部下は、問いかけられることによって、ふだんは持っていなかった視点を持つことになる。

必要なのは、一人ひとりに自分個人の目標を見つけさせること。
これをすることで、わたしが手にするものは何か?ということを考えさせる。

ちょっとやそっとでは、人は変わらない。人が変わるためには、集中的、継続的、そして長期的な関わりが必要。

変わらなければいけないのは上司。上司が変われば部下も自然に変わる。

「会話することは楽しい」というその思いが、真に、人の自発性や自律性を引き出す。
「会話は楽しい」、その感じこそ、コーチングにおいて、もっとも大切なセンス。


■こんな人におすすめ

普段、部下と話をしていない人

部下の伸びが思わしくなく、自分の管理する部署が思うように成績が出せない人

部下の育成は、叱れば良いと思っている人

コーチングに興味があり、まずは身近なことから取り組んでみたい人

社内のコミュニケーションを良くしたいと思っている人

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