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部下を動かす教え方

いつも仕事に追われている上司のための 部下を動かす教え方いつも仕事に追われている上司のための 部下を動かす教え方
松尾 昭仁

日本実業出版社 2008-06-26


松尾昭仁さんの「いつも仕事に追われている上司のための部下を動かす教え方」です。
松尾さんは、ネクストサービス株式会社の代表取締役CEOで、本書以外の著作もあり、セミナー講師となるためのセミナーなども開催されています。

本書では、部下を育てる上司の立場にある人を主な対象として書かれていますが、プロの講師の方にも通じる内容となっています。
時間がなくて部下を教えるのが面倒くさいと思っている人や、自分でやってしまった方が早いと言って部下を教育していない人は、本書を一読されると良いでしょう。
すぐに使える実践的なノウハウや、部下のタイプ別対処法などが書かれています。

本書に限ったことではないですが、部下を教育することは、上司の重要な役目です。
部下が仕事ができるようになることによって、上司である人は、本来やるべきさらに上の仕事に集中することができます。本書に書いてあることを実行し、仕事を任せられる部下を育てていってください。


■読みメモ

教えることは、「知識の棚卸作業」。教えることで初心に立ち返る。人に教えることで一番学べるのは自分自身。

「仕事のDNA」を受け継いだ人材はたとえ職場が変わっても、横の連携がとれるビジネスパートナーとなりえる。

一度に教えるポイントは多くても3つまで。
細分化し、ポイントを絞り込んで教えることで、基本がしっかり身につき、その後応用が利きやすくなる。

大事なポイントを何度も繰り返し説明する。
「しつこい」と思われ、かえって集中力が下がる危険があるので、同じ内容・ポイントを話しながらも、その表現をときには変える工夫も必要。

大事なポイントを教えるときは、あえてその前に「間」を取る。積極的に「間」の力を利用する。

相手のレベルを見極めるためには、次の2つの方法が有効。
・教える内容についての作業をやらせてみる
・教える内容についての知識を聞いてみる

注意したいのは、教わる側が、自分の知っていないことをあたかも知っているかのように言う場合があること。相手の説明があやふやだと感じたときは、遠慮なく突っ込み、本当のレベルを確かめる。
それをせずに、相手のレベル以上のことを教えても、後日教え直す必要が生じる。

教える側も「わからないことはわからない」と認めて、決して知ったかぶりをしない。
もしも間違いを教えてしまい、後日それを指摘された場合は、(確認後)速やかに誤りを認めなくてはいけない。

学習中のリアクションだけでは、相手の理解度を測ることはできない。
学ぶということは「何がわかり、何がわからないのか」確認する行為。自分の理解度を把握し、場合によっては質問するためにも、「自分がわからなかったこと」を記録する大切さを教える。

教える最中や教え終わったあと、「質問がない」場合は要注意。
質問がない状態は、むしろ「よくわからなかったから質問すらできない」という可能性もありえる。
「質問するにはそれなりに勇気がいる」ということを理解しておく。

過度のフォローは慎む。
教育期間のうちは一連の仕事を一通り黙って見ていることも、教える側の役目。毎回少しずつハードルの高い仕事を用意して一人でやらせてみる。

評価はまず「よかったこと」を話し、そのあとに「悪かったこと」を指摘する。どんなささいな部分でもいいのでほめ、相手が聞く耳を持ったことを確認してから、大切な注意点を説明する。
「よかったこと」を1つ伝えたら、「悪かったこと」は多くても3つまでしか伝えない。

あることを教わるメリットや必要性、さらには教わらないデメリットなどを、丁寧に伝える。この場合のメリットとデメリットはあくまで「教わる側」のもの。
教える側としては「教わらなくてもいいが、損をするのはあなた自身です」という少し引いたスタンスを保つ。

成功体験を積ませる。小さな成功体験を、部下に棚卸させる。
「できる」理由を順序立てて説明することで、実現が可能だということを伝える。

いつも評価されている人は、「すごいけど、あの人は特別だから」などと周囲から距離を置かれ、意外にほめられ慣れていないケースもある。

こちらの話を気分よく聞いてもらうためにも、教えるときには、あえて相手にしゃべらせる時間を作る。ここで聞くべきは、教わる内容に関する、相手の予備知識や経験がいい。

教える側が緊張する最大の要因は準備不足からくる。

プロには、上手に教える力以外に、相手を楽しませる力も求められる。教わる相手にワクワク感を与えるのもプロ講師の役目。教える人間が笑顔で話し始める。
「学びというサービスの提供者」という心構えで臨む。

伝わる話し方 3つのポイント。
・話すスピード(早過ぎても、遅すぎてもダメ)
・語尾(意図が伝わるよう、ハッキリと)
・声の大きさ(ときにはあえて小さくし、聞き耳を立てさせる)

むやみやたらに板書しない。
あまり多くの情報を板書すると、教わる側は何が大事なポイントなのか、わからなくなってしまう。本当に大事なポイントのみ、口頭で説明した上で板書する。
板書する内容は徹底して絞り込む。

インパクトが強いからこそ、図をあまり多用しては逆効果。

教わる側のコンディションや集中力までは、教える側は完全に支配できない。
一度に多くの人数に教える場合、ときには少数を切り捨てる勇気も必要。

終了時に「グループ・ディスカッション」を行い、自らに勉強に参加したという意識を芽生えさせる。

ブログやメルマガ、SNSを活用し、普段から習慣にしている行動の中に「復習」を組み込む。復習を「仕組み化」する。

定刻に終わるように設定できないのは、教える側の時間の読みが甘い。
室温が高いと眠くなり集中力が切れやすくなるので、少し涼しいくらいの温度がちょうどいい。


■こんな人におすすめ

部下、後輩の育成をしている人

部下に任せず自分で何でもやってしまう人

採用や研修の担当者

セミナー講師

塾の先生、家庭教師
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テーマ : 読書メモ - ジャンル : 本・雑誌

図解 一瞬で心をつかむ心理会話

【図解】一瞬で心をつかむ心理会話 (内藤誼人の心理シリーズ)【図解】一瞬で心をつかむ心理会話 (内藤誼人の心理シリーズ)
内藤 誼人

KKベストセラーズ 2007-09-15



内藤誼人さんの「【図解】一瞬で心をつかむ心理会話(KKベストセラーズ)」です。

内藤さんは、心理学博士であり、多数の著書を書かれています。
専門は、心理学の中でも、説得や交渉に関する分野だそうです。
他の「話し方」についての本は、個人的な経験則や思いつきの域を出ていないため、本書では、学問的裏づけに基づいた「役に立つ」話し方、会話術について解説すると、まえがきにあります。
かと言って、小難しい内容ではなく、とても読みやすい内容なので、気楽に読み進めることができます。

また、この本は「図解」とあるように、見開きの半分が図になっていて、非常に読みやすいです。半分図解で150ページ程度しかないので、すぐに読めます。
私も内藤さんの本を何冊か読んでいますが、どの本も楽しく読め、内容も面白いです。
気楽に読めると言う点では、この本を最初に読んでみるのも良いと思います。


■読みメモ

誰かの発言権を奪って無視することは、その人にストレスを与えるだけでなく、ネガティブな気持ちにさせてしまう。

意思表示やある程度の自己主張は大切なのだが、それが行き過ぎた自己主張になると、大きく信用を損なう。相手の質問にYesかNoをはっきりさせる程度の意思表示がちょうどいい。

対人不安の高い人ほど自分を語ろうとせず、自分を隠そうとするあまり対人面での不安が増幅される。こちらから積極的に手の内を明かしていくべき。

相手の発言後、3秒間待つ。ここで間を空けずに自分の意見を入れようとするから、会話がかみ合わず、聞き上手になれない。間を恐れる必要はない。

相手の発言を受け入れ、肯定する。いったん受け入れて信頼関係を築いたあと、正しい方向へ導く。

人を動かそうとするとき、大切なのはビジョンではない。それをいかに語るか、という会話力。

われわれの発言権は、その場にいる人間の数によって左右される。

相手から正確な情報を聞き出そうと思うなら、「最悪、どれくらいになりますか?」と質問するのがベスト。

人の心は、言われてすぐに変化することは少ない。時間をかけてゆっくりと変化していくのが人の心。自分と異なった意見を受け入れるのには、それなりに時間が必要。

人は早く議論を終わらせたいとき、とりあえず「わかりました」「そうですね」などと口にする。

リーダーがどれだけメンバーに話しを振るかによって、会議の活発さは決まってくる。

感情をうまくコントロールできない人は、言葉の選び方に問題があるのかもしれない。人は使っている言葉によって、その感情が大きく左右されてしまう。

人を動かす最大の要因は恐怖。誠意やロジックだけで人を動かそうなんて、大間違いである。
もちろん教育的・道徳的観点からみれば、あまり子どもの恐怖心をあおるべきではない。

知能が高い人ほど論拠を示されると「理解」が進むので、説得されやすい。知能が低い人は論拠があろうとなかろうと関係ない。

相手に真剣に聞いてほしいとき、ちゃんと考えてほしいときは「他人事じゃないんだ」というアピールをすべき。責任を与えられると、それだけ時間をかけ、真剣に悩む。

聞こえるようにコソコソしゃべる。「漏れ聞き」は警戒心を与えない。

人は「頼りにされたがっている」。「その人の得意分野」で相談する。

結果ではなく経過をほめる。努力している姿勢をほめるのであれば、いつでも何回でもほめられる。
人をほめるコツは「過剰にほめる」「何もしていなくてもほめる」「再否定してほめる」。
再否定を使うと、ほめ言葉にも真実味が増してくる。
ほめることのデメリットはゼロ。

困難に立ち向かうときは、アドバイスよりも励ましの言葉のほうが効果が高い。
特に注意したいのが、自分と対等な立場にある相手にアドバイスを送ること。アドバイスを受けた者は、屈辱を感じることも多い。特に男はこの傾向が顕著で、「自分が無能だから手を差し延べられた」といった感情が芽生えてしまう。

ほめるにせよ叱るにせよ、周囲の人に対する影響というものをしっかり考えなければならない。

男性を手玉に取ろうと思うなら、とにかく温かい励ましの言葉をかける。
原則として、女性は毎日ほめておかないと喜びが持続しない。しかし男性は、社長のたったひと言で40年もがんばることができる。

質問口調でアピールしたほうが説得効果が高い。
上から主張を押しつけるのではなく、「・・・だと思いませんか?」と質問する。

プレゼントは冒頭に手渡すべき。

主語に I よりも You を使ったほうが、口喧嘩をうまくまとめる(勝利する)確率が高い。
勝率は女性のほうが高く、男性は「外的な理由」を主張すると、勝率が高くなった。

会話の目的は「元気になること」。人は「元気になりたい」から人に会う。

説得とは力。なんらかの力を行使して、相手を「自分の望む方向へ動かす」ことが説得。

どれだけ自分の思いを伝えようと、どれだけ言葉を尽くして雄弁に語ろうと、それを聞いた「相手」が動かなければ、なんの意味もない。「相手」を考えない会話など、独り言と同じなのである。
「相手」という存在を忘れてしまっては、せっかくの心理会話もまるで意味のないものになってしまう。

何かを覚えたらすぐに人に話せ。本で読んだ話も、誰かに聞いた話も、読んだだけ、聞いただけでは本物の知識にはならない。それを言葉にしてアウトプットしていってこそ、自分のものとして内在化されていく。

■こんな人におすすめ

人と話すのが苦手な人

人とコミュニケーションを取るのが苦手な人

人の話を聞けない人

いつも相手に言い負かされてしまう人

内藤さんの本を読んでみたいと思っている人

テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌

3分間コーチ

ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術 3分間コーチひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術 3分間コーチ
伊藤 守

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2008-03-13


伊藤守さんの「ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術 3分間コーチ(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」です。
伊藤さんは、はじめてアメリカからコーチングを日本に紹介し(本書内に記述あり)、株式会社コーチ・トゥエンティワン株式会社コーチ・エィの代表取締役会長であり、本書の出版社でもある株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンの代表取締役会長でもあります。
「もしもウサギにコーチがいたら」「コーチング・マネジメント」「小さなチームは組織を変える」「会話から始めるコーチング」など、他のコーチング関連本も多数執筆されています。

「部下について考える時間」、「部下と的を絞った短い会話をするための時間」、この2つ時間をとることが3分間コーチの要点であり、そのための時間は、1日3分、それがダメなら1分でも良いと説いています。
とにかく部下と関わる時間を作り、部下と会話をする時間を持つこと、このことを心がけることが大切なようです。


■読みメモ

気づいたらその場で躊躇せずに声をかける。毎日部下と会話する。一回の面談よりも、ふだんのコミュニケーションが大切。

<三分間コーチ>の特徴は、会話そのものというより、三分間の会話と次の三分間の会話の<間>にある。
会話というのは、その場で相手に影響を与えるだけではない。実際に人の行動に影響を与えるのは、会話のあとに個々の内側で続く<セルフトーク>。それが、人の考えや行動に影響を与える。

ほんとうの会話とは、創造以外の何ものでもない。

コーチングでは、基本的に「アドバイス」はしない、問題解決もしない、ただ、問題とのつき合い方をコーチする。

大切なことは、何を話すかよりも、どんな場面で話すか。

事が起こってからコーチするのではなく、事が起こる前に、予測し、それをコーチする。

外側からの変化とは、不測のトラブル、転勤、昇進または降格、部下の士気が著しく落ちるなど、外からなんらかの対応を迫られる、つまり、<要望>されることによって生じる。
自分から起こす変化というのは、逆に自分のほうから相手に何らかの<要望>をすることから生じる。
コミュニケーションとは基本的に、相手に<要望>すること。

優れた上司は、その人が来る前から、その人の「居場所」をつくっている。
自分のことについて知っている、理解してくれている人がいることで、そこに自分の<居場所>を持つことができる。
<居場所>のあることが行動の起因になる。

つねに、現状を客観的に把握するためのフィードバックが必要。フィードバックはだれでもほしい。

「何かあったら声をかけてくれ」とか「いつでも相談してくれ」というのは、親切そうに聞こえるが、あまりにも漠然としていて、部下は声をかける機会を見つけられない。
できるだけ具体的に、どんなときに声をかけたらいいのかを、あらかじめて伝えておく。

気のきいたことをいう必要はない。三分間の会話の終わりは、「続きはまた明日」「今日は話せてよかった」で十分。

部下が質問できるようにするのが上司の仕事。上司が質問の仕方のモデルになる。

正しい答えを要求し続けると、創造性はどんどん萎縮してしまう。
こちらが思ったような答えを要求したり、せかしたりすると、相手は黙ってしまう。または、こちらの思うような答えをしてくる。それでは役に立たない。

挨拶に返事がなくてもいい。むしろ、返事がなくて不安になるのは上司のほうで、その不安を解消するために部下を叱ってしまう。それでは、何のためのコミュニケーションかわからなくなってしまう。
返事はなくてもとにかく声をかける。少しずつ彼らについて知り、少しずつ話をする。

コーチングのイメージは、会話する二人が向き合ってしまうのではなく、一枚のカンバスに向かって、二人で座る。そして、部下が描く絵を見ながら、会話する。

コミュニケーションが活性化するには、<問いの共有>が必要。

部下は、問いかけられることによって、ふだんは持っていなかった視点を持つことになる。

必要なのは、一人ひとりに自分個人の目標を見つけさせること。
これをすることで、わたしが手にするものは何か?ということを考えさせる。

ちょっとやそっとでは、人は変わらない。人が変わるためには、集中的、継続的、そして長期的な関わりが必要。

変わらなければいけないのは上司。上司が変われば部下も自然に変わる。

「会話することは楽しい」というその思いが、真に、人の自発性や自律性を引き出す。
「会話は楽しい」、その感じこそ、コーチングにおいて、もっとも大切なセンス。


■こんな人におすすめ

普段、部下と話をしていない人

部下の伸びが思わしくなく、自分の管理する部署が思うように成績が出せない人

部下の育成は、叱れば良いと思っている人

コーチングに興味があり、まずは身近なことから取り組んでみたい人

社内のコミュニケーションを良くしたいと思っている人

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田中義剛の足し算経営革命

田中義剛の足し算経営革命-北海道発 大ヒットの法則! (ソニー・マガジンズ新書 15)田中義剛の足し算経営革命-北海道発 大ヒットの法則! (ソニー・マガジンズ新書 15)
田中義剛

ソニー・マガジンズ 2008-06-14


田中義剛さんの「田中義剛の足し算経営革命(ソニー・マガジンズ新書)」です。

タレントでもある義剛さんは、花畑牧場を経営されていて、生キャラメルやカチョカバロなどのヒット作を生み出しています。
私も以前は、田舎っぽさを売りにしたタレントさんと言う認識しかありませんでしたが、最近は、花畑牧場の経営者、あるいは営業マンとして、テレビに出演されているのを目にします。
上記のヒット作を生み出したことによって、経営者としても注目され始めたのでしょう。
芸能界でお金ができたから牧場経営に乗り出したと言うのではなく、元々牧場が経営したくて(酪農学園大学卒)、その資金を稼ぐために芸能界を選んだようです。

本書では、一貫して手作りにこだわり、食の安全、廃棄物のリサイクルを考えた経営を行っていることが書かれています。
いずれの場合も、ビジネスのベースを牧場をとし、そこから新たなビジネスへの展開を考えているようです。
この本では、その発想法、メディアの利用法、これから酪農や農業を始める人たちへのアドバイスなどを披露し、経営だけにとどまらない内容となっています。

また、「クイズ!ヘキサゴン」などで、おバカタレントとして活躍している里田まいさんが、花畑牧場で下積みをしていたときの話なども書かれており、彼女の別の顔も垣間見ることができます(テレビでも放送されたそうです)。

新書で200ページもない本なので、すぐに読めます。


■読みメモ

薄利多売。これでは、手間ひまかけた、本当にいい商品なんてできっこない。市場の論理に屈せず、自分の商品には自分で値段をつける。原価に、利益率15%をしっかりとプラスする。
これこそが、「足し算経営」だ。

高値に感じるかもしれないが、ここには、15%の利益率と、食品は何があるかわからないというリスクヘッジも含んでいる。利益率15%以下では、何かあったときに赤字商品になりかねない。
かといって、途中で売価を釣り上げるのもタブー。こんなことをしたら、消費者はあっという間に離れていく。
最初につける売価がすべて。だから、売価設定にはいちばんこだわった。

ビジネスは長くやって初めて利益が出る。一発屋は儲からない。最初から欲張ってたくさん売ろうとすると、たいていは後悔することになる。ほどほどで長く続けるほうが利益は残る。

認知度は、ヒット商品を生むためのかなり重要なエッセンスになる。それを有効利用してリニューアル感や新鮮味を強調することで、新しい商品のブランディング比較的簡単にできてしまう。
人間は、ゼロから作り上げたものを受け入れて慣れるまでにすごく時間がかかる。

中央のメディアに対しては、地方色を出すことがひとつの売りになる。

急激に上昇したものは急激に落ちる、落ちたときにバックボーンがないやつはあっという間に消える。
売れ続けるものには、その下地にそれ相応の魅力がある。

おばさまが食べて美味しいと言ってくれるものは、必ずウケる。

独自に行って検証するだけでは芸がない。メディアを一緒に連れていってドキュメントを作れば、その番組自体が検証結果の告知になるし、宣伝にもなる。

失敗したら、将来成功したときの面白いエピソードにできると思えばいい。

なぜ空港を選んだのか。
利用者の9割以上が道外の主に観光で訪れる人たち。人間は、日常的なことに関しては金を惜しむが、旅行やイベントごとなど、非日常的なことには金を惜しまない。そう考えると、空港は利用者がすこぶる金を落としやすい環境なのだ。コンビニやスーパーにひとつ850円のキャラメルがあっても、手を伸ばしづらい。だが、ひとたび舞台が空港に変われば、「お土産だから」「記念に」と買っていく。

歳時の最大の魅力は、たくさんのお客さんが集まるということ。人が集まるところに店を出すことは、あらゆる商売における基本。もうひとつの魅力は、あの独特の非日常的雰囲気だ。

お役所が移住者を歓迎する方針を打ち出す一方で、地元の人たちは、よそ者を寄せつけたがらない。
これから酪農や農業をやろうと考えている人は、農地を買うこと自体がものすごくハードルの高い行為だということを覚えておくといい。
まず、100坪、200坪の単位では農地は売ってくれない。地主が土地を分割したがらないから、俺のように7万坪(東京ドーム5個分)くらいまとまった農地を買わざるを得ないだろう。
購入に当たっては、農業委員会という、地元農家から成る組織のメンバーが全員承諾しないとダメで、かつ今後10年間の営農計画をチェックされる。さらに、購入者は農業の経験がなくてはダメだという。

酪農は牛1頭から始められるビジネス。多頭飼いはリスクも大きくなる。

農協を通すと、自分の作った製品がどこでどうなっているかわからない。自分がいくら品質のいい牛乳を搾っても、牛乳がタンクローリーで回収される段階で、近隣の農家の牛乳と混ざってしまう。

これから酪農を志す人には、声を大にして、「農協を頼るな」と言いたい。自分が作ったものは責任を持って自分で売る。そして見届けるべきだ。

最初から製造ラインに何億円も投資をすることは、これから酪農や農業ビジネスをやろうというベンチャースピリッツにあふれた人なら絶対に避けるべきである。ベンチャービジネスの基本は、「小さく作って高く売る」だ。
それまでの経験から、たくさん作ってたくさん売るというやり方は、結局、自分も崩壊するし、企業も崩壊するということがよくわかっていた。

欠陥品を売るわけにはいかない。常に厳しくチェックして、味や食感が商品としてのレベルに達していなければ、即、廃棄だ。「迷ったときは捨てろ」と言っている。「大丈夫かな?」と少しでも不安になったら、それは100%廃棄だ。
これは、ブランドイメージを作り上げるためにもとても重要なポイント。少しでもごまかしがあったら、ブランドは創れない。

大手デパートや百貨店などと組むようになると、独占販売の半紙を持ちかけられることはよくある。でも、そこでその話をそのまま受諾していてはダメ。「よそで売るな」と言われたら、「年間保証してください」ぐらいの条件を提示しなくては。

誰を相手に商売をするかの販売戦略も、ものを売るには重要だ。
花畑牧場は、北海道に拠点を置きながら、北海道向けの商品は創っていない。北海道で、北海道の物産展は成立しない。

ベンチャービジネスでは、マイナス要因を大事にしなくてはいけない。欠点をすぐに直そうとするのではなく、生かせないかを考える。

ブレがあると、ブランディングは成功しない。まず自分で考え、自分で作り、成功(もしくは失敗)の責任は自分がとる。この自己完結のスタンスで取り組むことが、ベンチャービジネスの基本原則だ。
責任の所在を明らかにする意味でも、最後は自分で判断しなければならない。


■こんな人におすすめ(本書内に書かれているものもあります)

これから酪農や農業をやろうとしている人(田舎暮らしをしようと思っている人も含む)

現在、酪農や農業に従事している人

ベンチャー起業に勤めている人

ヒット商品のない地方起業、中小企業に勤めている人

食品関連企業に勤めている人

農協関係者

都会からの就農者を受けている地方行政関係者

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社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!

社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!
小山 昇

すばる舎 2007-11-28



小山昇さんの「社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ! (すばる舎)」です。

小山さんは、株式会社 武蔵野の代表取締役社長で、ユニークな経営で業績を伸ばし、各方面から注目されている経営者のお一人です。
他の著書に「「儲かる仕組み」をつくりなさい」や「「決定」で儲かる会社をつくりなさい」、「朝30分の掃除から儲かる会社に変わる」などがあります。
また、(株)武蔵野では、現地見学会なども行い、武蔵野の経営方法を見習いたいと思っている外部の人たちを、積極的に受け入れる体制を作られています。
これも経営に自信があるからこそできることだと思います。

タイトルに「儲けたいなら」と入っていますが、これは出版社側が売るためにつけたものでしょう。実際には、儲け方を教える本ではなく、「経営者なら、しっかり数字を把握、管理して、健全な経営をしましょう」という主旨の本です。
そのために見るべき重要な数字、その把握の仕方や管理の方法について書かれていますが、よくある経営指標の説明ではなく、ご自身の体験から掴んだ数字の捉え方、考え方を説明されています。
また、必ずしも無借金経営が良いわけではなく、銀行との上手な付き合い方などについても書かれています。

本当は、もっとチェックした箇所があるのですが、量が膨大になったため、これでもかなり省略しています。
興味のある方(特に経営状態の良くない会社の社長さんなど)は一読されることをおすすめします。


■読みメモ

心がけてきたのは、儲けることより、会社を潰さないこと。

社長があらゆる数字を使いこなしてこそ、会社は存続・発展できる。
ただし、数字の計算や教科書的な意味を覚えても経営はできない。重要なのは、実務に役立つ数字の読み方・考え方。

利益が出ているならいいというのは間違い。売れているのに、運転資金が不足し、経営を圧迫してしまうこともある。利益率が低いのと、回収サイトが長い場合は要注意。
「売れているから心配ない」と言って呑気にかまえていると、そのリスクも見えない。

異常を知るには、時系列にグラフで見る。お勧めは年計。
グラフに凸凹があるところは、必ず何かが起きている。
会社の問題を早期発見・早期治療するためには、少なくとも毎月の定期チェックが必要。月次はスピードが命なので、数字はアバウトでもいい(100万円単位で見る)。

B/S(バランスシート)の異常値を見極めるためには、4半期ごとに書き込んだ数字が、期首と期末の数字の間に収まっているかどうかをチェックする。

ビジネスには必ず「重要成功要因」がある。勘や経験則に頼らず、実際に調査、分析する。

社員のがんばりを「率」ではなく、「額」で評価することが鉄則であり、重要。事業構造によっては、「粗利益率」のチェックを最優先に。

外的要因の影響業種では、売上と数のモノサシが必要。
売上は伸びていなくても、出荷数がどんどん増えているなら、それは戦略が成功している証拠。
逆に売上が伸びていても、出荷数が下がっていたら、戦略に間違いがあると判断した方がいい。

気をつけたいのは、「売れる商品の売り損じ」。マーケットは平均で見ない。重点化は最頻値で見る。

お金を回すことができれば、赤字はいくらでも解消するチャンスが来る。会社を生かすも殺すも資金繰り次第。

銀行にとっては、数字こそが社長の人格。社長の評価は決算書と経営計画表で決まる。

新規取引の銀行が、最初は長期でなく短期で貸すのは、短期で貸して財務評価を下げ、銀行にとって少しでも有利な条件で融資しようとするから。

銀行がお金を貸すのは、過去の実績に対して、銀行は初めてのことに対して非常に慎重。
2行から借りられるなら、両方から目いっぱい借りたほうがいい。
銀行から有利な条件を引き出すときの基本は、銀行から「借りてください」と言わせること。銀行同士で競わせるのも有効。

銀行から信用されるには、徹底した情報開示が必要。(株)武蔵野では、毎月、各支店に銀行訪問を行い、最新の数字を報告している。

借金には、社員の気を引き締める効果もある。
無借金だと「利益を出さなくても会社は倒産しない=給料をもらえる」と甘い考えを持つが、たくさん借りていると「返済できなければ、会社が倒産して職を失うかも」と危機感を持つ。
無借金だと、社長や幹部もヤレヤレと安心し、社内にバイタリティがなくなるので注意が必要。

支払手形を発行している会社は、売上ダウンが命取り。融通手形には絶対に手を出すな。

自社ビルを買うと、税金を多く支払ううえに資金繰りも危うくなる。すでに土地や資産を所有しているなら、社長の個人会社に売却して、個人会社が会社に賃貸で貸す。

1年以上売れなかった在庫商品は目をつぶって捨てる。1度捨てる痛みを知ると、本当に必要なものだけを仕入れるようになる。在庫は一律の数字で管理するのではなく、単品できめ細かく。

モノが売れてはじめて「コスト」は発生する。商品やサービスが売れなければ、経費は何も生み出さないただの「ロス」。コストを削ることに熱心になると商品やサービスが売れなくなり、経費がコストからロスになってしまっては本末転倒。

個人レベルで仕事のスピードを速めるには、仕事に時間を割り当てるのではなく、時間に仕事を割り当てる。

欠員補充はむやみにしない。欠員補充をしないでいると、残った人は、無駄な仕事をやらなくなる。

社長は経費の細かい仕訳は知らなくていい。新しいチャレンジの経費なのか、既存事業を維持するための経費かさえ知っておけば経営はできる。

ゼロが3つ違えば想像のつかない世界に突入する。社長と社員の話がかみ合わないときは、社長の話を社員のモノサシに合わせて翻訳する。逆はムリ。

不正防止のためには、頻繁な人事異動が必要。
人を替えることで新しい担当者がマニュアルを作り、それを繰り返すことによって、誰がやっても最低限同じ結果を生むマニュアルができる。


■こんな人におすすめ

経営者や中間管理職で、会社の数字がよくわからない人

会社の数字の押さえどころや、管理方法などを知りたい人

利益が出ているので、ウチの会社は安心と思っている人

経営指標については良く知っているが、それを経営に活かせていない人

銀行との付き合い方がわからない人

これから起業家や経営者を目指す人

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