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田中義剛の足し算経営革命

田中義剛の足し算経営革命-北海道発 大ヒットの法則! (ソニー・マガジンズ新書 15)田中義剛の足し算経営革命-北海道発 大ヒットの法則! (ソニー・マガジンズ新書 15)
田中義剛

ソニー・マガジンズ 2008-06-14


田中義剛さんの「田中義剛の足し算経営革命(ソニー・マガジンズ新書)」です。

タレントでもある義剛さんは、花畑牧場を経営されていて、生キャラメルやカチョカバロなどのヒット作を生み出しています。
私も以前は、田舎っぽさを売りにしたタレントさんと言う認識しかありませんでしたが、最近は、花畑牧場の経営者、あるいは営業マンとして、テレビに出演されているのを目にします。
上記のヒット作を生み出したことによって、経営者としても注目され始めたのでしょう。
芸能界でお金ができたから牧場経営に乗り出したと言うのではなく、元々牧場が経営したくて(酪農学園大学卒)、その資金を稼ぐために芸能界を選んだようです。

本書では、一貫して手作りにこだわり、食の安全、廃棄物のリサイクルを考えた経営を行っていることが書かれています。
いずれの場合も、ビジネスのベースを牧場をとし、そこから新たなビジネスへの展開を考えているようです。
この本では、その発想法、メディアの利用法、これから酪農や農業を始める人たちへのアドバイスなどを披露し、経営だけにとどまらない内容となっています。

また、「クイズ!ヘキサゴン」などで、おバカタレントとして活躍している里田まいさんが、花畑牧場で下積みをしていたときの話なども書かれており、彼女の別の顔も垣間見ることができます(テレビでも放送されたそうです)。

新書で200ページもない本なので、すぐに読めます。


■読みメモ

薄利多売。これでは、手間ひまかけた、本当にいい商品なんてできっこない。市場の論理に屈せず、自分の商品には自分で値段をつける。原価に、利益率15%をしっかりとプラスする。
これこそが、「足し算経営」だ。

高値に感じるかもしれないが、ここには、15%の利益率と、食品は何があるかわからないというリスクヘッジも含んでいる。利益率15%以下では、何かあったときに赤字商品になりかねない。
かといって、途中で売価を釣り上げるのもタブー。こんなことをしたら、消費者はあっという間に離れていく。
最初につける売価がすべて。だから、売価設定にはいちばんこだわった。

ビジネスは長くやって初めて利益が出る。一発屋は儲からない。最初から欲張ってたくさん売ろうとすると、たいていは後悔することになる。ほどほどで長く続けるほうが利益は残る。

認知度は、ヒット商品を生むためのかなり重要なエッセンスになる。それを有効利用してリニューアル感や新鮮味を強調することで、新しい商品のブランディング比較的簡単にできてしまう。
人間は、ゼロから作り上げたものを受け入れて慣れるまでにすごく時間がかかる。

中央のメディアに対しては、地方色を出すことがひとつの売りになる。

急激に上昇したものは急激に落ちる、落ちたときにバックボーンがないやつはあっという間に消える。
売れ続けるものには、その下地にそれ相応の魅力がある。

おばさまが食べて美味しいと言ってくれるものは、必ずウケる。

独自に行って検証するだけでは芸がない。メディアを一緒に連れていってドキュメントを作れば、その番組自体が検証結果の告知になるし、宣伝にもなる。

失敗したら、将来成功したときの面白いエピソードにできると思えばいい。

なぜ空港を選んだのか。
利用者の9割以上が道外の主に観光で訪れる人たち。人間は、日常的なことに関しては金を惜しむが、旅行やイベントごとなど、非日常的なことには金を惜しまない。そう考えると、空港は利用者がすこぶる金を落としやすい環境なのだ。コンビニやスーパーにひとつ850円のキャラメルがあっても、手を伸ばしづらい。だが、ひとたび舞台が空港に変われば、「お土産だから」「記念に」と買っていく。

歳時の最大の魅力は、たくさんのお客さんが集まるということ。人が集まるところに店を出すことは、あらゆる商売における基本。もうひとつの魅力は、あの独特の非日常的雰囲気だ。

お役所が移住者を歓迎する方針を打ち出す一方で、地元の人たちは、よそ者を寄せつけたがらない。
これから酪農や農業をやろうと考えている人は、農地を買うこと自体がものすごくハードルの高い行為だということを覚えておくといい。
まず、100坪、200坪の単位では農地は売ってくれない。地主が土地を分割したがらないから、俺のように7万坪(東京ドーム5個分)くらいまとまった農地を買わざるを得ないだろう。
購入に当たっては、農業委員会という、地元農家から成る組織のメンバーが全員承諾しないとダメで、かつ今後10年間の営農計画をチェックされる。さらに、購入者は農業の経験がなくてはダメだという。

酪農は牛1頭から始められるビジネス。多頭飼いはリスクも大きくなる。

農協を通すと、自分の作った製品がどこでどうなっているかわからない。自分がいくら品質のいい牛乳を搾っても、牛乳がタンクローリーで回収される段階で、近隣の農家の牛乳と混ざってしまう。

これから酪農を志す人には、声を大にして、「農協を頼るな」と言いたい。自分が作ったものは責任を持って自分で売る。そして見届けるべきだ。

最初から製造ラインに何億円も投資をすることは、これから酪農や農業ビジネスをやろうというベンチャースピリッツにあふれた人なら絶対に避けるべきである。ベンチャービジネスの基本は、「小さく作って高く売る」だ。
それまでの経験から、たくさん作ってたくさん売るというやり方は、結局、自分も崩壊するし、企業も崩壊するということがよくわかっていた。

欠陥品を売るわけにはいかない。常に厳しくチェックして、味や食感が商品としてのレベルに達していなければ、即、廃棄だ。「迷ったときは捨てろ」と言っている。「大丈夫かな?」と少しでも不安になったら、それは100%廃棄だ。
これは、ブランドイメージを作り上げるためにもとても重要なポイント。少しでもごまかしがあったら、ブランドは創れない。

大手デパートや百貨店などと組むようになると、独占販売の半紙を持ちかけられることはよくある。でも、そこでその話をそのまま受諾していてはダメ。「よそで売るな」と言われたら、「年間保証してください」ぐらいの条件を提示しなくては。

誰を相手に商売をするかの販売戦略も、ものを売るには重要だ。
花畑牧場は、北海道に拠点を置きながら、北海道向けの商品は創っていない。北海道で、北海道の物産展は成立しない。

ベンチャービジネスでは、マイナス要因を大事にしなくてはいけない。欠点をすぐに直そうとするのではなく、生かせないかを考える。

ブレがあると、ブランディングは成功しない。まず自分で考え、自分で作り、成功(もしくは失敗)の責任は自分がとる。この自己完結のスタンスで取り組むことが、ベンチャービジネスの基本原則だ。
責任の所在を明らかにする意味でも、最後は自分で判断しなければならない。


■こんな人におすすめ(本書内に書かれているものもあります)

これから酪農や農業をやろうとしている人(田舎暮らしをしようと思っている人も含む)

現在、酪農や農業に従事している人

ベンチャー起業に勤めている人

ヒット商品のない地方起業、中小企業に勤めている人

食品関連企業に勤めている人

農協関係者

都会からの就農者を受けている地方行政関係者
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